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セカンドVが最大加速をかけると?

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セカンドV(こちらの記事参照)が最大加速をかけると空中分解してしまう…なんていう話があるけれど。

それは、嘘だ。

この話のもとになったとおぼしい記述は、小説中にあるにはある。

が、地の文でもなければ信頼すべき技術者のセリフでもない。
パイロット同士の対話である。

ニュアンスをくみとるため必要なので、ちょっと長いけれど引用をする。

4巻p270L13~(ウッソとコニーの対話)

「だからウッソ、セカンドVの長距離支掩は、あたしたちモビルスーツ部隊の後方からやればいいのよ」

「それじゃ、シュラク隊はみんなぼくの前にいっちゃうんでしょ?」

「それでいいじゃない? 子供が先鋒なんてのがおかしいのよ。セカンドVの白兵戦は、さけなくっちゃ」

「装甲は厚くなってんですよ?」

「それでも、フレームはビクトリーとおなじなのよ。推力とのバランスをかんがえてごらんなさい」

「そうか……推力は、このカタログ・データのままつかったりしたら、機体がバラバラになっちゃうかもしれないんですか?」

「オーテイスに内緒だけど、そうおもっていたほうがいいわ」

 シュラク隊のコニーにしても、ユカにしても、オーティスのように気配りをしてくれたし、フラニー、ミリエラたちにしてもそうだった。

この会話の主旨は「これこれなので、ウッソ(のセカンドV)は前のほうに出るな」というものである。技術的な話ではない。
コニーが理屈をつけてウッソを守ろうとしているのを、ウッソがわかっていて話をあわせている…という流れである。

それを、単に「機体がバラバラ」の部分だけをみて、鬼の首を取ったように「フルパワーで空中分解!」「強度不足!」とまことしやかに吹聴するものがいて、広まってしまったようだ。

***

では。じっさいにセカンドVが最大加速をかけると、どうなるかというと。
小説の中で、しっかり描かれている

5巻p235L2~

 ゾロアットを一気にふりほどくと、ウッソは、セカンドVの高度をとっていった。

「……ファラさんは?」

 セカンドVの最大加速のために、ウッソはシートの底に押しこめられていって、からだが、縦のままたいらになっていくのではないかとおもえた。肋骨がギシギシとなった。

もちろん、空中分解などしない。

セカンドVは、ハンゲルグ・エヴィンが指揮をとり、ミューラ・ミゲルが設計したMSである。
もし未完成で不完全な機体だったら、息子を乗せるわけがない。

***

ついでにかいておくと。この小説には、真実ではないセリフがよく出てくる。

4巻p266L11
 ハングルグが断定したのは、それが嘘だからだ。

というのは地の文で嘘とあるケース。

5巻p189L14に、セカンドV本体とミノフスキーシールドをつなぐ「エネルギー・チューブ」なるものの調子をみたいというセリフがある。
が、これはウッソがたくらみのために大人(マーベット)の気をひくための嘘であろう。

***

ついでのついでに、あとひとつ。
セカンドVは「ミノフスキー・ドライブ」なるものを積んでいるといわれる。
小説中にこの名称は一度も出てこない。

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